【30日で学ぶScalarDB】1-1. ScalarDBの概要
ScalarDBとは

ScalarDB は、複数・異種のデータベースを仮想的に統合する、トランザクション/分析処理 (HTAP) エンジンです。データベース上でミドルウェアとして実行されます。
さまざまなデータベースを仮想的に統合し、ACID トランザクションとリアルタイム分析を実現することで、複数データベース管理の複雑さを簡素化します。ScalarDB Clusterは、ACIDトランザクションをサポートしながらスケーラブルな運用が可能です。
Kubernetesを基盤としており、クラウドやオンプレミス環境に簡単に導入できるのが特徴です。
ScalarDBを選ぶ理由

グローバルトランザクションマネージャー、データフェデレーションエンジン、HTAP システムなどのいくつかのソリューションは、同様の目標を持っていますが、次の観点で制限があります。
Oracle MicroTx や Atomikos などのグローバルトランザクションマネージャーは、XA 準拠のデータベースのみなど、限られた異種データベースセットでトランザクションを実行するように設計されていますが、異種データベース上での分析はサポートされていません。
Denodo や Starburst などのデータフェデレーションエンジンは、異種データベースで分析クエリを実行するように設計されていますが、異種データベース上での
トランザクションはサポートしておりません。
TiDB や SingleStore などのHTAP システム)は、同種データベースでのみトランザクションと分析クエリの両方を実行します。
ScalarDB は、異種データベースでトランザクションクエリと分析クエリの両方を実行できる機能を備え、複数・異種のデータベース管理を簡素化できます。
ScalarDB Community EditionとEnterprise Edition

ScalarDBには、Community EditionとEnterprise Editionの2つのエディションがあります。
まずCommunity Editionですが、こちらは基本的なトランザクション管理とデータベースの抽象化機能を提供しています。無償で利用可能であり、ScalarDBの基本的な機能を試したい場合に適しています。
次にEnterprise Editionですが、こちらは有償で提供されており、クラスタリングソリューションも利用可能です。
クライアントアプリケーション向けのインターフェースも複数用意されています。
より高度な機能やエンタープライズレベルでの利用を検討されている場合は、Enterprise Editionをご検討ください。

ScalarDBのCommunity EditionとEnterprise Editionで提供される機能の違いについて説明します。
Community Editionでは、基本的なトランザクション管理とデータベースの抽象化機能が利用可能です。
Enterprise Editionには、StandardとPremiumの2つのエディションがあります。
Standardでは、Community Editionの機能に加え、クラスタリングソリューションと認証認可機能が利用可能です。
Premiumエディションでは、Standardエディションの機能に加えて、暗号化機能や細粒度アクセスコントロール、GraphQLやSQL等の追加インターフェース、ベクターサーチインターフェースが利用可能です。

StandardとPremiumでは提供されるインターフェースに違いがあります。
Standardエディションでは、gRPCとJAVA APIインターフェースが利用可能です。
Premiumエディションでは、StandardエディションのIインターフェースに加えてSQL/Spring Data、GraphQL、.NET SDKなど、さらに多くのインターフェースが利用可能です。